今回のゲストは腸活コンシェルジュ・コンブチャマイスターの橋本貴美代さん。いま人気のコンブチャは、「昆布のお茶」ではなく、お茶を発酵させてつくる、生きた乳酸菌を含んだ植物性発酵飲料です。このコンブチャをはじめ、からだを内側から整えていく大切さを表現している橋本さん。彼女のライフスタイルは、多くの女子たちの支持を得ています。ここに行き着くまでのストーリー、そしていま改めて橋本さんが感じていることを伺いました。
9・11とSARSの後、アパレルの世界へ
ワーキングホリデーにオーストラリアに行ったのをきっかけに、フリーのツアーコンダクターとして世界中を飛びまわっていました。その経験で人生が変わったと思います。貧困問題やジェンダーの問題、環境問題…そういう現場を見させてもらったり、かと思えば超豪華ツアーで五つ星ホテルに泊まるとか。まるで天と地を見るようないろんな体験をして、自分の中からいろんなものが生まれて、すごく濃い8年でしたね。自分の中でもいろんな考えがめぐって、それがあってのいまだと思います。
アメリカでの9・11の後にSARSが一緒に来て、海外旅行にみんなが行かなくなって、仕事が無くなっちゃったんですよね。そこでたまたまお金どうしようかなと思って行ったのが某アパレルのアルバイト。自分の価値観の中で、洋服はそんなにポイントではなかったというか、もちろん嫌いではないけれど、もっとほかの価値にお金を使う方が好きだったから、まさか自分がアパレルに行くとは思わなくて。でもやってみたら奥が深いし、営業という職種も面白いし、数字もやればやるほど伸びて、みんなをまとめて一つの目標を達成する達成感みたいなものが楽しかった。ツアーコンダクターは1人でやっていたから、仲間ができて、みんなと達成するのが楽しかったんだけど、無理をしすぎて体を壊しちゃったんですよね。
体調を崩し自然療法を勉強、コスタリカでコンブチャに出会う
そこでアロマを触ったり、アーユルヴェーダを習いに行ったり、自然治癒力を引き出すもので体を整えようと思って自分でいろいろ調べながら、アロマの学校で勉強をしているときに良い先生に出会ったんです。その先生が「腸と脳」にすごくフォーカスして、最先端で研究している先生で。そこで「もしかしたら私が免疫力が低いのは、腸の環境なんじゃないか?」ということに行き着いて、食事とかを全部変えた。そうしてやっていきながら、自分の物への価値観や原点を見つめ直したら、私の居場所はやはりここ(アパレル)じゃないんじゃないかって思うようになったんです。もちろん勉強になったし、人とのつながりもできたんだけど。
辞めると決断した後に1ヶ月有給休暇があったので、もっと人の体を触るために骨格や筋肉についてちゃんと勉強したくてボディトリートメントの資格を取り、それがどれだけ通用するのか試してみようと、以前から行きたかったコスタリカへ1ヶ月くらいボランティアに行ったんです。そのコスタリカのオーガニックショップで飲んだコンブチャがめちゃくちゃおいしかったの! そこが原点。
コンブチャで体が変わるのを実感
ボランティアが終わって帰国し、当時、日本にコンブチャが飲めるお店が麻布に1軒だけあったので行ったら「Home Made」っていう英語で書かれた本が置いてあった。「家でつくれるの?」と。それでたまたま菌を持っている人がワークショップをやるというので参加して、家でつくり始めて、あるときふと「あの味」ができたんです。「おいしい! これ、できちゃった!」って。
ええ? すごい!
すごいよね! じゃあこのコンブチャを、もっと免疫力を上げるために続けてみようと。そしたら今度は体が変わってきたんです。
おいしいだけじゃなかった(笑)
本当にリアルに。それまでは1年に3〜4回は風邪を引いていたのが、1回も引かなくなったり、ホルモンバランスもあまり良くなかったんだけど、それも整ってきたり。時間はかかったけど「来たぁ!」と思って(笑)
人間関係も菌も同じ。分かってほしい、分かりたいを手放す
面白いのが、コンブチャって発酵飲料でしょ、菌じゃない? 菌は、良い菌も悪い菌も共存して生きているから、悪い菌が来たときは体からはねのけられるように「自分」を鍛えなきゃいけないっていうふうにワークショップでお話しするんだけど、そんな話をしていると、やはり同じ発酵とか、そういう業界の人と関係性もできてきたりして、その人たちの発する言葉もエネルギーが同じなんです。
こないだ、たまたま自然食の集まりで会ったら面白いことを言われたんです。私が新しい菌をもらったんだけどダメになっちゃった話をしたら、その人がサラッとね、「キミちゃんが飲んでおいしくなかったり、違うなと思ったらそれは合わないし、それは菌も人間関係も同じだから、そんなに気にすることないよ。それはそれでいいんだよ」って。
時間じゃないんだよね。はじめて会っても、何回か会っても、心地いい人は心地よくて話していても無理がない。良い・悪いじゃなくて、この人とはちょっと合わないなとか、違う感覚を持っているんだなと思えばいい。そこを以前の私はすごく頑張っちゃってた。自分を分かってほしいとか、相手を分かりたいとか。だけどもうそれをスッと手放したんです、違うって。そうすると相手にとっても楽だし、私も楽だし、同じ感じの人が集まってくる。
体は嘘をつかない。他人と比べず自分を見てあげることがすべて
どこかのタイミングで「あっ、これちょっと違うな、とか、自分がやりたいことはこっちだな」と思ってきて、シフトしていったと思うんですけど、その引き際の勇気というか…それって何なんですかね? どこかのタイミングで「あっ、これちょっと違うな、とか、自分がやりたいことはこっちだな」と思ってきて、シフトしていったと思うんですけど、その引き際の勇気というか…それって何なんですかね?
体の声。
体の声…
うん、正直。
でも「自分が抜けたら、後輩がいるし、私が採用した、私が育てた人たちもいるし、ここまでやってきたし…」みたいなことを、いろいろ考えるじゃないですか。
30代の半ばくらいまでは私もそれを強く思ってた。でも体を壊してちょっと休憩したときに、私がいなくても回っていたんだよね。私が離れても、まあ行けばアドバイスもするし、そういう感じでいいんじゃないかなって。体の声だよね。
なるほどねぇ。
やっぱり無理が来ると、体に出る。最近よく言うのが「自分を見てあげる」ということ。他人がこうだから私も…とかじゃなく、自分は他人(ひと)とは違う。他人に相談するのはもちろん良いんだけど、そのアドバイスをある程度聞き流すように柔らかく聞いておかないと、それが自分の考えと違うと、またそこで悩んだりすることになる。昔の私がそうだったから。
やっぱり真面目で人との関係や言葉を大事に考えている人ほどそうなりがちだから、そこを柔らかく聞くクセをつけて、いまからはもう自分で責任を持って生きていく時代だと思うから、自分のやりたいことをやっていく。もちろん1人じゃできないけど、やっていれば同じような人たちが集まってきて、できるようになる時代になってきていると思うから、もう他人と比べない。それは意見を聞かないってことじゃなく、自分は自分。体もそう。自分の中身、自分がどういう性格なのか、どんな性質を持っているのかをよく見て、自分が心地いいものをチョイスする。すべてそこじゃないかなと思います。
今回のゲスト
橋本貴美代(はしもときみよ)さん
鎌倉市在住。20代は添乗員として世界各国を旅し、30代の頃、体調を崩したことをきっかけにアロマセラピーやアーユルヴェーダなどの自然療法を研究。実践し始める。アロマセラピストとしてボランティアに訪れたコスタリカでコンブチャに出会い、帰国後自らコンブチャづくりを始め心身の変化を実感。多くの人に伝えるため、2018年7月より鎌倉のカフェHOUSE YUIGAHAMAにて手づくりKOMBUCHAの販売を開始。現在は健康な腸づくりのプロフェッショナルとして、腸内環境を整えるアドバイスやコンブチャのワークショップをオンライン上でも実施している。JAAアロマコーディネーター、JSTA(日本スポーツアロマ協会)セラピスト。女性ホルモンバランスセミナー、小腸リンパセミナー卒業。腸活コンシェルジュ、コンブチャマイスター。MTA腸内細菌検査アドバイザー
▼橋本貴美代さんのInstagram
@kimy_lifeis
https://www.instagram.com/kimy_lifeis/
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