【コラム -湘南days- 】人生の岐れ道

毎朝、私は岐れ道に立つ
通勤のため鎌倉駅へ向かうバス停の名前が「岐れ道」
その日のはじまりにギアを入れるにはもってこいだ
と、こっそり気に入っている

鶴岡八幡宮の前から鎌倉街道を東へ向かうバス通り
700mほど進むと「ビゴの店」という美味しいパン屋さんがある
そのお店の前が三叉路になっていて、信号機には「岐れ路」という表示
(バス停の名には「道」が使われている)
左の道を選ぶと、荏柄天神社や鎌倉宮を経て天園ハイキングコースへ
右の道へ直進すると、杉本寺や報国寺を経て朝比奈インターチェンジへ

選ばなかった人生もある
選べなかった人生もある
時々、もう一方の道を辿っていたら
いま、どこに立っているだろう
と想像することがある
あまり意味があるとは思わないが、ちょっと楽しい
もしかしたら、さほど変わらない場所のような気もする

人生の岐れ道に立ち、どちらにしようか迷ったら
辿り着く先を思い描くよりも
旅の途上での出会いと経験を想像してみるのがよいのかもしれない

どちらを選ぶにしても、自分の覚悟は必要
それさえあれば、降り立つバス停の名前は
「行きたかった場所」という名前になっているかもしれない

この記事を書いた人

宮城県出身。妻と高校生の娘、柴犬1匹と鎌倉に暮らすキャリア・コンサルタント。ライト・キャリア・ガーデン代表。本業は大学職員。

大学卒業後、CATV放送局で地域情報番組の制作に5年間従事。その後、大学事務局へ転職。配属された部署で就職支援業務に携わったのをきっかけにキャリア支援のシゴトにはまる。50歳を迎える頃、それまでの生活で「やりがい」「働きがい」を職場に依存した人生だったことに気づく。現在はプライベートな時間をつかって、ライフ・キャリアデザインを支援する仕組みづくり、場づくりを目指して地域でパラレルキャリアを実践中。

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