【コラム -湘南days- 】海を歩く。

朝は、できるだけ海岸を歩くようにしています。
体力維持(というか前日のお酒を抜くため)、
そして、頭と心を整理するためです。

辻堂海岸から鵠沼海岸まで。往復で50分くらいでしょうか。
歩いている時は、いろいろなことが頭に浮かびます。

行きの道はゴチャゴチャと複雑に考えてしまいがちですが、
帰り道は不思議にチカラが抜けて、波音とともに心が静まっていくことを実感します。

思考に溜まったゴミを波音で洗い直す時間。
それは、坐禅と重なる部分があるかもしれません。

「思考を止めない」「もっと深堀りする」
きっと多くの人と同じように、社会に出てからずっと
上司や諸先輩方に言われ続けてきたことです。

それは仕事をする上で、とても大切なことであると同時に、
思考を止めない=終わりのないループに入ってしまい、
心が休まらない状態が続いてしまう。そんな弊害もあることに気がつきました。

もちろん、仕事やさまざまな場面で深く考えることは大切ですが、
全てのことを深掘りする必要はないのです。

曹洞宗の宇野全智さん曰く、
「考えっぱなしでいいのです。深掘りをする必要はない」と。

打ち寄せては消える波と同じように、ただ流す。
「あー、こんなことを思ったなぁー」と、
ただただ思い浮かんだ考えを頭から流して、それで終わり。

今までの人生、常に深堀りをするように鍛えられてきたので、
雑念を消し無の境地で、、というのも無理な話。

余計なことを考えたって良いのです。
仙人じゃないので、邪念の一つや二つ考えてしまうのが当たり前。

大切なのは、全てを結論に到達させる必要はなく「考えっぱなし」で良いということ。
そうすると、不思議に頭と心はスッキリしていくのです。

波音と共に、思考のゴミをdeleteする時間。

朝のその時間は、自分自身を整える大切なパーツになっていて、
きっとマインドフルネスに近い領域だと勝手に推測していますが、
難しいことはわからないので、僕はシンプルに「海歩き」って呼んでいます。

5月の海は、特別に気持ちが良い。
快晴のパリッとした空気の朝に歩いている時、
湘南に暮らしていて良かったなと。

そう実感する初夏の湘南にて。

この記事を書いた人

湘南WorK. 代表

湘南鵠沼育ち、現在は辻堂在住(辻堂海浜公園の近く)。
長く東京へ通勤するスタイルでサラリーマンを経験。大手スポーツ関連サービス企業にて、事業戦略を中心に異業種とのアライアンススキーム構築を重ねるものの「通勤電車って時間の無駄だよな」という想いがある日爆発し、35歳で独立。幼い頃から「自分のスタイルを持った湘南の大人たち」に触れて育った影響か、自分自身で人生をグリップするしなやかな生き方・働き方を模索し始め「湘南WorK.」を立ち上げる。相談者が大切にしていることを引き出しながら、妥協のないお仕事探しに伴走するキャリアコンサルタント。
今感じる1番の幸せは、幼い我が子と海を散歩することであると同時に、反抗期を何よりも恐れているこの頃。

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