【コラム -湘南days- 】みんなと仲よくしなくてもいい、でも嫌いな感情の同調はいらない

昨年の春、娘の学級懇談会でもらった資料に、こう書かれていた。

クラスで特に大切にしたいこと
勉強ができる、運動ができることよりも大切なことがあります。それは…
「友達を大切にできる」ことです。

そうだよね、と思いながら読み進めていると、この文章に出会った。

「友達と上手くいかない時」
世の中には、自分と合う人、合わない人がいます。
だから、みんなと仲よくしなくてもいいし、苦手な人がいてもいいです。
それは、自由だし、大人でもありうることです。
ただし、人を嫌う時には、絶対に守らなくてはいけないルールがあります。
それは、「自分一人で嫌うこと」です。
いくらその相手が苦手だから、嫌いだからといって、わざわざ仲間を集めて、一人の人を攻撃することは反則です。
もちろん、その人のことを苦手な人同士が集まって攻撃するのはもっと反則です。
相手を嫌うのは自分自身であって、他人と同調するものではありません。
なぜなら、あなたの嫌いなその人のことを、誰よりも大好きだと思っている人がいるからです。

とある人間関係の渦中にいた私は、学級懇談会で溢れそうな涙を我慢した。
苦手な人が存在することを「いいよ」と言ってもらったあとに教えられた、愛のあるルール。
子供に向けられた言葉だが、肝に銘じるべきは大人の方かもしれない。

友達関係だけではなく、ビジネスの場ではどうだろうか?
共通の目標や理念に向かって協力するポジティブな同調。
その裏に潜むのは、不満や攻撃する意見を集結するネガティブな同調。
ネガティブな同調が集団の一体感を高め、利益を生んだとしても、それは一時的なものに過ぎない。
そのチームがかもす雰囲気、メンバーが発する空気はおのずとつくられてしまうもの。

あなたが望む「仲間」はどちらですか?

娘が1年間過ごしたクラスを離れるこの時期に、この文章を思い出した。
新しい仲間と出会う季節。
自分の感情に少し意識を向けることで、何倍もいい1年になると自分に言い聞かせて。

この記事を書いた人

香川県出身、現在は茅ヶ崎在住。工学博士。
日本IBM株式会社にてITエンジニアとしてキャリアをスタートし、その後、配偶者の海外赴任に伴い、シンガポールで5年間生活。現地では仲間とともに起業し、意思決定を伴う実行の楽しさと手応えを経験しました。

2017年、茅ヶ崎にて英語教室「そらうみKIDZ」を開室。現在も子どもたちと向き合う日々を送っています。

その傍ら、複数の企業にてデジタルマーケティングを支援。SEO対策、各種コンテンツ制作、Webデザインおよび構築に強みを持っています。
特にWeb制作においては、自身の事業経験を活かし、「企業の事業内容や強みの整理から始めるアプローチ」が好評をいただいています。

上條亜美のコラム一覧