【鎌倉FM 第46回】内側の声に耳を澄ませる力

ラジオ収録 前半

ラジオ収録 後半

今回のゲストは、葉山で複合施設「eatYOGAstudio」を主宰しているMikkoさんです。人と地球と自然と環境−これらがどれも欠かすことのできない連なりであることを実感できる葉山地域を拠点に、「すこやかであること」を提案し続けるMikkoさんのライフスタイルに注目。「食」と向き合うことで、人はどんなすこやかさを得られるのでしょうか。そして、Mikkoさんにとっての「働く」とは?

目次

ホリスティックに自分の「すこやかさ」に気づき、整える場所

小松

初めに「eatYOGAstudio」がどんな場所なのか、教えていただけますか?

Mikkoさん

「eatYOGAstudio」は、古民家をリノベーションした、「食」「癒」「動」が体感できる複合施設です。“eatYOGA”というのは、「ヨガをするように、食べることをトレーニングしましょう」という意味で付けた名前です。その中で「食べる」ことだけではなく、それと共に「体を動かす」こと、「体を癒す」ことも全て体感することによって、ご自身の健康やバランスを整えて行きましょう、ということをおすすめしているお店です。
 
「食」では、“ヴィーガン”と呼ばれている、動物性のものを使わない食のスタイルを提供するカフェを運営しています。「癒し」では、この建物の2階にマッサージやトリートメントが体感できるセラピストルームがあり、「ハーブよもぎ蒸し」という、韓国のよもぎ蒸しに、私がアーユルヴェーダの見解に基づいて独自に調整したハーブを取り入れた、サウナのようなお部屋もあります。それに加えて1階にはヨガや加圧トレーニングができるトレーニングルームも提供しています。カフェ、セラピストルーム、ハーブよもぎ蒸し、トレーニングルームの4つが体感できる複合施設です。

小松

このスタジオを開く前に、元々どんな所からMikkoさんの活動は始まったんでしょうか?

Mikkoさん

元々私の活動はスムージーから始まっています。まだ「コールドプレスジュース」とか「ジュース・ファスティング」というものが日本に入って来ていなかった時代に、自分でスムージーをつくっていました。それをつくるきっかけになったのは、ヨガをトレーニングとして実践していた時に、初めて出会ったヨガの先生から、「食べ物や飲み物など、摂取するものは気をつけた方がいいですよ」と言われたことです。ヨガをすると良いものも悪いものも体が吸収しやすくなるのでちゃんと選択をした方がいいという指導を受け、ヨガのトレーニングをする時には野菜や果物をミキサーで撹拌したジュースを持ち歩いていました。するとヨガの友達から、「何を飲んでるの? すごくおいしいから私にもつくってきて」と言われたことがどんどん広がって、みんなから「私も、私も」と言われるから、材料費ぐらいはもらわないとなぁ…と思いながらやっている間にこういう商売になっていったんです。
 
やがてスロージューサーというものでつくった「スロージュース」(コールドプレスジュース)を「Nice & Smoothie」という名前で提供するようになり、それを使った「断食」も提案し始めました。ジュースの栄養素は腸壁にダイレクトに吸収され、エネルギーの吸収率が早い。それが血となり肉となる即効性が高いと言われています。断食という、胃腸を休めることによって免疫力が上がる健康法というものに強い興味があり、それを自分でひたすら実践して、書籍などから勉強して…という日々があったんですよね。自分の中での流行りというか、断食がマイブームになった時期があって、あらゆる断食法を実践したんです。どれがいちばんノンストレスにできて、効果が体感できるのか? その人体実験を自分で行なって、いちばん効果を感じたのが「ジュース断食」でした。理由としては、ストイックになり過ぎないんですよね。栄養をしっかり摂りながら断食をして、だからこそ空腹感に苛まれることも少なく、いつでもフレッシュな状態でデトックスを繰り返していける。さらにはファスティングの後にリバウンドしにくいということが体感として確信できたので、Nice & Smoothieの中に「スロージュース」というカテゴリーをつくり、断食をみなさんに提案していく、断食のトレーナーをしていくという活動を始めました。
 
断食をするみなさんの健康や体調の管理をしていくにあたって、自分の指導にも責任を持たないといけないと思い、いろんなお医者様にリサーチして医学的なエビデンスを調べたり、分析したり、もともと私が書籍オタクということもあるんですが、そういうことを徹底的に勉強していろんな資格もいただいて、現在、Nice & Smoothieという形でジュースの販売をしています。ですから、このeatYOGAstudioの中でのジュースの販売は「Nice & Smoothie」というブランド名でそのまま引き継いでやっているんです。

妊娠を機に、心と体をつくる「食」の真理を知る

小松

徹底的な体への興味・関心がおありになるんだなと感じたのですが、そもそも自分の体に関心が深まったきっかけとか、原体験みたいなものはあるんですか?

Mikkoさん

私自身は元々体は強いんですよ。基礎体温も高いですし、生まれつき親からもらった体がおそらくとても健康体質で、あまり病気もしないし、病院に行くことが全くないんですね。そんな私が初めての妊娠の時に、一応、産婦人科という病院に行ったんですよね。「妊娠してます」と言ったら、妊婦健診でいろいろ指導をされて、最終的には病院で産むことを当たり前のように説明されたんです。そこにすごく疑問を抱いて。私は病院が嫌いなのに、出産は病気じゃないのに、なぜ病院で産まなくちゃいけないのかが分からない、と思い始めました。
 
そこで、自宅出産をサポートされている助産師さんが神奈川にいるという情報を得て、当時私は東京に住んでいましたが、その門を叩きました。すると、病院を頼らず自分の力で自宅で産もうとするからには、やはりいろんなリスクを伴うので、体をつくり上げていく必要があると言われました。そこで指導されたのがマクロビオティックという食事法だったんです。口から得たものが血となり肉となり体をつくっていく中で、どんな理念・原理で栄養が吸収され、体のバランスが変化するのかという、けっこう宇宙的なマクロビオティックの考え方を得ました。その影響は一つあります。

小松

実際に自分が子どもを産んで母になったことで、意識が変わったことってありますか?

Mikkoさん

ありますね。私が妊婦だった時に、すでにお子さんのいる友人に、「もう本当に出産したと同時に、生活がパンッ!って変わるから」って言われていたんです。でも本当にそうなんですよね。今はもう、「子どもなんて中学生にもなればこんなものよね、求めちゃいけないわよね」というステージにいますけど(笑)。でもいろんな経験をしてきたからこそ、それが今の仕事の役に立っています。うちにもお子さんを連れていらっしゃるお客様も多いですし、そういうお母さんたちが十分に寛げるような、息抜きできるようなお店でありたいと思っています。ここのカフェは座敷なんですけど、人の家に上がるような感覚で、お子さんがハイハイしていても誰が怒るわけでもなく、泣こうが叫ぼうが、みんなで微笑ましく見守っていられるようなフィールドでありたい。そういう意味でも自分がマクロビオティックを通じて得た食に対する考え方や、ジュースの栄養価が母乳にどんな影響を与えるのか、食を通じてメンタルバランスも整えられることなど、自分は苦労をしたけれど、ここまで走り抜けてきた情報が役に立ち始めています。そんな意識で今、この場所を営んでいますね。

「すこやかさ」とは、自分の内側の声に気づけるポテンシャル

Mikkoさん

すこやかであることの方が普通だし、その方が楽なはずなんですよ。だけど、日々の生活や、自分がつくってしまった癖とか性格、環境や育ってきた背景…そういうことの結果として、「すこやかじゃない自分」を知らず知らずの間につくり上げている人がとても多かったりするんです。
 
すこやかでいることが楽なはずよね? でもどうしてそこに行けないのか知ってる? でも、知ってしまえば実は簡単です。「えー?そんなことないです、難しいです」と思うのであれば、まず日々の食生活を見直してみてください、という指導をしています。食べ物で体ができているので、もしかしたら食べている物が悪くて血流が悪くなり、それによって脳の調整機能が働かなくなり、それによってメンタルバランスが崩れてちょっとした鬱状態になっている可能性がある。あなたがその状態になっているのは、食生活が関係していないですか? だとするととても簡単な方法で、すこやかさは手に入るかもしれないですよ、って。

小松

Nice & Smoothieを飲んだり、ファスティングにチャレンジしてみたり、そうやって一歩踏み出した方々のいろんな変化を、Mikkoさん自身が見て来ていると思うのですが、「食」というものに人がちゃんと向き合った時、どんな変化が生まれるんでしょう?

小松

100人いたら100通り、いろいろなケースがあると思いますが、第1ステージでは「何か疾患がある方が食生活で改善され、その疾患が緩和された」、あるいは「ダイエットや体の容姿の変化を目的としている人が、その目標を達成できた」ということ。しかし、本来は第2ステージを求めなくちゃいけないと思います。緩和できた、改善できた、ではその理由が何だったのかに自分でちゃんと気づいて、それを継続する力をつけることが最も必要だと思うんです。
 
それを続けるには、「自分の内側の体の声や、心の声にしっかりと意識を向けられる自分である」というポテンシャルが必要です。いつでも自分の内側の声に耳を傾けられるような基礎をつくるのも「食というトレーニング」なんです。
 
毎日コーヒーを何杯も飲んで、カフェイン摂取量が多く、それで眠りが浅くて睡眠の質が悪ければ、自分の内側に意識を向けられるポテンシャルを保つのは難しい。毎日体が冷えるような生活習慣が身についていて、生理の質が悪く、子宮系の疾患を患い、それによって女性ホルモンが活性化されずに若い割には若年性更年期のような症状に見舞われているというのも、症状に意識をフォーカスしてしまうと本来の自分の声に耳を傾けられなくなります。
 
「すこやかである」とは、「内側の声に耳を傾けられるポテンシャルを持っている状態」だと思います。「日々、そこに意識を向けられない」という自分に気づくことも、そのポテンシャルが高くないとできない。汚染されている状態です。だからそこをクリアにしていくには、やはり食生活を整えることだと私は考えているんですよね。とても簡単なんですよ、良い物を食べていれば。高価な物という意味ではなく「体にとって良い物」です。それは「ポテトチップス食べれないの? マクドナルド食べれないの?」ということではなくて、あなたの体の細胞が喜ぶと言っている物を、ちゃんと自覚して選択する、そしてそのことに対して喜びを感じる、ということ。とてもシンプルですが、これが長く持続できる健康法なんですよね。それさえできて、そこに戻れるその気づきさえ自分で見出せれば、ちょっと風邪を引いても、ちょっとメンタルを崩しても、「最近こういうことが良くなかったから、あそこに戻れるようにしよう」みたいにコントロールできるようになってきます。そうするときっと、病気知らずのすこやかな人でいられると思います。

小松

このeatYOGAスタジオは、みんなが自分自身のポテンシャルに気づく場所なんですね。

Mikkoさん

そうであってほしいですね。それをお伝えしています。でも女性っておしゃべりが好きだから、「分かってるんだけどやめられないのよねー」ってみんなで言い合うのも好きじゃないですか(笑)。だからそれでも良いんですよ。

小松

それでも「ここに来た」ということ自体が、何か一つ一つ積み重ねになっていくといいですよね。

Mikkoさん

そういう意味では、すこやかであろうとする自分への気づきに敏感になれるツールが、ジュースを使った断食だと思うので、それを提案しています。

「働く」とは、自分が愛情を持てることをやり続ける営み

小松

今日はeatYOGAスタジオやNice & Smoothieなど、いろんな活動を伺いましたが、Mikkoさんにとって「働く」ってどういうことでしょうか?

Mikkoさん

私がやっている「働く」とか「ビジネス」は、キレイ事に聞こえるかもしれないけれど、「人に対して愛を提供すること」だと思っています。やはり愛情がないと、その熱量は人に伝わらないですよね。人に対価をいただいてやっていかない限り、ビジネスは成立しない。でもそこには絶対的に熱量や愛情がないと、伝わらないと思うんです。そして私は「土着的に愛を伝える」ことを大事にしたい。うちのスタッフさんにもそれを共有しています。やはりホリスティックな観点でお客様に携わる以上、その愛情はしっかり表現していかないといけないと思っていますし、そうすることが好きだからこのような活動をしているんでしょうね。私にとって「働く」が何かと言ったら、「好きなことをやる」だけのことだと思っていて、好きじゃないとできないし、続かないと思うんです。例えば私は自営業というか、自分で表現することで「仕事・働く」を見出すタイプですが、与えられたものをこなすことで仕事にする人もたくさんいらっしゃると思います。その中でもちゃんと「自分は何に愛情が持てるのか」という所がないと、愚痴も出るし、すこやかではいられないと思うんです。自分が愛情を持てる所をしっかり掴んでいさえすれば、きっとストレスってそんなにないと思うんですよね。

& Column
自分も人も大切にするために最初にすべきこと
心も体も、自分にとっての「自然な状態」が崩れた時にストレスや不調和を感じるのかもしれません。そうであるならば、まずは「自分自身の自然な状態とはどういうものか」を知ることが肝要です。それを知らなければ、本来の状態からズレた時に戻る所が分かりませんし、分からないままいつの間にかそのズレが思ってもみないほど大きくなってしまうことになります。ひょっとすると、私たちはすでにそうなっているのかもしれません。誰かの意図の下に繰り返し受けて来た教育や、都合よく加工された情報、身を置く環境や人間関係も、摂取しているという意味では食べ物と同じ。「本来の自分」や「自分にとっての自然な状態」を正しく知ろうとするなら、最初に着手すべきは刷り込まれた価値観や自動操縦的パターンなど、自分にこびりついた垢をきれいに洗い流すこと、つまりデトックスです。そうして初めて、自分の内側の本当の声が聞こえてきます。進路を変えたいと思う時、自分を変えたいと思う時、外界からの摂取を一旦止めて、まずは無垢な自分に戻るために努力をすること。その際に曖昧模糊とした心よりも、先に肉体へ働きかけてみる方が早くて簡単だ、とMikkoさんは教えているように思います。なぜなら心と体はつながっており、一方が変わると、もう一方も変わるからです。そして「自分にとっての自然」が理解できた時、「他の人にとっての自然」も理解することができ、そこからようやく対話や関係づくりが始められるのではないでしょうか。
(森田マイコ)

今回のゲスト

Mikkoさん

ジュースファスティングカウンセラー、GOODCIRCLE 主宰。自身の妊娠出産を機にマクロビオティックとめぐり会い、「食」による心身のすこやかさを探求。ヨガを実践する中で新鮮で良質な野菜を使った「スロージュース」とそれを用いた断食法を開発し「Nice & Smoothie」として提供を始める。20XX年から葉山にて「食」「癒」「動」をホリスティックに体感する複合施設「eatYOGAstudio」を運営。

Instagram▶ https://www.instagram.com/eatyogastudio/
Web site & Online shop▶︎ https://eatyoga.net/

ナビゲーター

(左)小室 慶介/(中央)こまつあかり/(右)河野 竜二

こまつあかり
岩手県出身、鎌倉在住。
ナローキャスター/ローカルコーディネーター
地域のなかにあるあらゆる声を必要な人に伝え、多様なチカラを重ね合わせながら、居心地の良い「ことづくり」をしている。
Instagram @komatsu.akari
@kamakura_coworking_house @fukasawa.ichibi @moshikama.fm828 @shigototen
湘南WorK.の冠番組である鎌倉FM「湘南LIFE&WORK」のパーソナリティを務め「湘南での豊かな暮らしと働き方」をテーマに発信。多様性を大切にした働き方、それが当たり前の社会になること。その実現へ向けて共創中。

小室 慶介(こむろ けいすけ) 
湘南鵠沼育ち、現在は辻堂在住(辻堂海浜公園の近く)。
長く東京へ通勤するスタイルでサラリーマンを経験。大手スポーツ関連サービス企業にて、事業戦略を中心に異業種とのアライアンススキーム構築を重ねるものの「通勤電車って時間の無駄だよな」という想いがある日爆発し、35歳で独立。幼い頃から「自分のスタイルを持った湘南の大人たち」に触れて育った影響か、自分自身で人生をグリップするしなやかな生き方・働き方を模索し始め「湘南WorK.」を立ち上げる。相談者が大切にしていることを引き出しながら、妥協のないお仕事探しに伴走するキャリアコンサルタント。

河野 竜二(こうの りゅうじ) 
神奈川県出身、湘南在住。
教育業界10年間のキャリアで約2,000人の就職支援に関わり、独立。キャリアコンサルタントとして活動する。それと同時に、”大人のヨリミチ提案”がコンセプトの企画団体「LIFE DESIGN VILLAGE」のプロデュースや、日本最大級の環境イベント「アースデイ東京」の事務局など多岐にわたって活動する。湘南が誇るパラレルワーカー。

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