【コラム -湘南days- 】時間の進み方、使い方

社会人になったばかりのMさんからの問いかけ。
「人生で最も時間の流れが早く感じたのは何歳のときですか?」
新卒で働きはじめて、「えっ、もう6月?!」と時間の進み方の速さに戸惑ってのことだろう。
学生時代とは違う時間の進み方。
会社の先輩からは「時間の流れは今後どんどん早くなるから、何となく過ごしたらダメだよ」というアドバイスがあったという。
学生という立場から企業人という立場になって、役割が増えたということはある。
役割が増えると24時間のうちに片付けなければならないタスクが増える。
関わる人の数も増える。
動き回る距離が増えることも時間の感覚に影響していそうな気がする。
こうした変化への対応についてのアドバイスが、「何となく過ごしたらダメだよ」となるのは、まったくそのとおり。
成長が置き去りになる。
では、どんな風に時間を使ったらいいのだろう?
1つの正解に辿り着けるほど単純な世の中ではないから困る。

ところで、急に気になりだしたのが60歳になろうとしている私のこれからの時間の進み方。
90歳を過ぎた親を見送る心の準備を整えながら時間を進めることになる。
この春に大学生になった娘の独立に備えながら時間を進めることになる。
私自身のサラリーマン・キャリアの終わらせ方に向かって時間を進めることになる。
時間の進み方が少しゆっくりと感じられるようになっていくのだろうか?
それとも、いっそう早く感じるようになるのだろうか?
役割が減っていくことに寂しさを感じそうな気もするし、時間に余裕ができることへの期待もある。
そんな私も「何となく過ごしたらだめだよ」という一般的なアドバイスの対象になるのだろう。
どんな時代でも、どんな環境でも、何歳であろうと、時間の使い方は唯一、自分自身でコントロールできるものなのかもしれない。
そしてそれは、「どんな役割を担おうとするか(担わないことにするのか)」を自分で決めていい(決めなければならない)ということなのかと、あらためて気づく。
「ねばならない」を言い訳に誰も「ダメ」とは言っていないのに、時間の使い方を自分以外の誰かにゆだねてはいないか。
このブログを書いている今は日曜日の日付が変わろうとしている夜中。
寝て、目が覚めて、仕事に追い立てられて、時間が過ぎる日々が始まる。
まだちょっと遠い夏休みを楽しみにがんばろう、、、
などと言っていないで、時間の使い方を明日から変えてみようか。
