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& Column
「集まりたくなる人」になるには?
「一人一世界」、人の数だけ宇宙があるとするならば、佐藤昌俊さんを中心とする世界は実に穏やかで美しい。彼が話すのを聴いているだけで、対話の相手も、その周りにいる人も、なぜか話し方がゆっくりになり、潮が満ちるように心に安心が満ちてきます。これが「バイブス」というもの。無名で独立したにも関わらず、身の丈以上の仕事が全国からやって来る自分を「強運の持ち主」と佐藤さんは表するけれど、その引力の源には自らが発する、皆が心地よくなる優しい波動があるように思います。
「勉強が嫌いだった」という佐藤さん。それを言い換えるなら、幼い頃から外の基準で良いとされていることに無理して当てはまっていくのではなく、自分の中から湧き出るものに素直に生きてきたということ。本能や身体感覚、無意識に限りなく近い、常識や思考で切り刻まれる前の自分自身を見失わないようにつなぎとめてきた。そうするための習慣を意識的に培ってきたのでしょう。
北海道で創業しながらも、コロナ禍を機にどこにいても働ける時代が来ると察し、見知らぬ茅ヶ崎に移住。海岸線を走った時の、自分の心がきれいになっていくような心地よさから、完全にフィーリングで移住を決めたという点も、これからの時代の正攻法の拠点の選び方ではないかと思います。社会インフラや通信ネットワークが行き渡っている場所であれば、きっとどこで起業してもビジネスのやり方は極端には変わらない。だったら自分の心や体が自然界や環境からたっぷりと愛を受け取れる場所に身を置いて、自分自身が真っ先に愛に満たされることで、その幸せなバイブスが自分を起点に波紋のように周囲に広がり、良いご縁へとつながっていくはずです。
佐藤さんにとっての「働く」とは、「◯◯のためにデザインする」こと。自身の創造性を、アーティストではなく空間デザイナーとして、誰かや何かの課題解決のために使いたいと思っている自分に気づき、それを長く皆とやり続けたいから経営者になることを選びました。ギャザリング株式会社を取り巻くあらゆる人や物事、社会への「利他」が自分にとっての究極の「利己」にもなる、そしてその輪がぐるぐる回る、理想的な愛の循環が成立しています。
そんな在り方に到達したいからこそ、自分の中の台風の目を探す。そこだけパタリと風の止んだ、静かな静かな空白地帯。少しだけ時の流れや日々の慣性から逸脱し、LIFEもWORKも棚上げして自分と純粋につながるその場所こそ、あなたの世界の中心であり、導かれるべき人生へのポータルなのかもしれません。(森田マイコ)
今回のゲスト
佐藤 昌俊(さとう まさとし)さん
ギャザリング株式会社 代表取締役
空間デザイン業界で活躍するデザイナー
1992年に北海道札幌市で生まれ、大工の父、彫刻家の母、フラワーデザイナーの兄という職人一家で育ち、幼少期からデザインに触れてきました。
インテリア専門学校でデザインを学び、卒業後は設計事務所に勤務し、国内外の商業施設や住宅の設計に携わりました。
その後、2018年にギャザリング株式会社を設立。
飲食店やアパレルショップ、住宅リノベーションまで幅広い分野で空間デザインを手掛けています。
現在、茅ヶ崎を拠点に活動し、将来的には海外展開を視野に入れています