【コラム -湘南days- 】出せない手紙

大御堂橋の袂に丸型といわれる旧い郵便ポストが立っている
「ホントに回収されるのだろうか?」
と、投函するたびに少し心配になる
こんなポストが鎌倉には未だ31本も立っているらしい

投函といっても、最近はもっぱら事務的な手続き書類がほとんど
あとは、丁寧にいただく年賀状の返信くらいか

手紙を書いたのはいつだろう、誰に宛てて書いただろう
記憶が明確になると恥ずかしくなりそうな気がしてきた、、、
ので、深掘りするのはやめる

夏の休日、暑くなる前にと早朝に犬を連れて散歩に出た
いつもより少し早い時間の陽ざしのせいか
まだ寝ぼけた眼と思考のせいか
大御堂橋まで来ると
袂の丸型ポストが待ち伏せしていた、ように感じた

「出す手紙あるわよね?」

女性口調で問われているような気がしたのは
川岸に咲くサルスベリの花が視界に入ったからかもしれない

向き合わずに、棚上げしたままにしてある人生のアレコレ
一つひとつを手紙に書き出して、まずは自分宛てに投函してみようか
いきなり相手に出すのは、やっぱり恥ずかしいですからね

この記事を書いた人

宮城県出身。妻と高校生の娘、柴犬1匹と鎌倉に暮らすキャリア・コンサルタント。ライト・キャリア・ガーデン代表。本業は大学職員。

大学卒業後、CATV放送局で地域情報番組の制作に5年間従事。その後、大学事務局へ転職。配属された部署で就職支援業務に携わったのをきっかけにキャリア支援のシゴトにはまる。50歳を迎える頃、それまでの生活で「やりがい」「働きがい」を職場に依存した人生だったことに気づく。現在はプライベートな時間をつかって、ライフ・キャリアデザインを支援する仕組みづくり、場づくりを目指して地域でパラレルキャリアを実践中。

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